株式会社北陸銀行遊休地の運動グラウンド等を活用して誕生した「ほくほくソーラーパーク」、北陸銀行店舗など53施設での消費電力を賄う。
需要家主導による太陽光発電導入レポート

地方銀行で国内最大級のメガソーラー施設
~顧客へ実績に基づいた確かな提案のために~

令和4年度株式会社北陸銀行
遊休地の運動グラウンド等を活用して誕生した「ほくほくソーラーパーク」、北陸銀行店舗など53施設での消費電力を賄う。

本事業の概要

株式会社北陸銀行今回お話を伺った、株式会社ほくほくフィナンシャルグループ SX推進部長 島田善朗様(左)、北陸銀行 経営企画部 総務室長 中村佳典様(右)

地方銀行で国内最大級のメガソーラー施設を導入、その理由は「顧客の課題に根拠ある提案をするため」だ。自行が先んじて新規技術を取り入れて確かめ、自信を持って地域企業へソリューションを薦める。取引先が着実に収益を上げ事業を展開するための環境を整え支えることがミッションだと語る。単なる融資先から経営を指南する参謀へ、地方銀行の役割が大きく変わるその中心に、本事業をはじめとする環境経営が存在している。

本事業の導入経緯

株式会社北陸銀行ほくほくフィナンシャルグループの SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)推進を担う島田様

島田 当行では2030年までにScope1および2について実質ゼロを目指している。CO2削減へは必ず取り組まなければならない課題である。いよいよ対策が必要になった際、必要な対策を一度に実行できる経営状況であるとは限らない。

それならば今のうちからコストをかけてでも取り組むべきだと考えた。また、北陸エリアで最初に取り組むことにより、知見収集などの面から先行者利益も獲得できる。以上の判断から、CO2削減対策が単なるコストから分散投資へと目線が切り替わった。

また、地域貢献度を重視した。環境経営の重要さが増す中、取引先から太陽光発電等への相談も増えている。それならば自らが取り組み、メリット・デメリットを理解した上で顧客に提案するべきであると考えた。追加性という観点からも、太陽光発電が適していると経営陣の判断があり、オフサイトPPAの検討を開始した

株式会社北陸銀行「スケジュールがあまりにもタイトな中、関係者の協力なくして成功はなかった」と語るお二人

中村 オフサイトPPAを検討し情報を集めていた2022年、太陽光発電事業のパートナーである北陸電力より本補助事業の紹介を受けた。申請の期限が8月5日だったのに対し情報を得たのが7月上旬。回答期限はわずか3週間であり、急ぎ社内で経営会議を開催し決済を得た。7月末には北陸電力へ申請する旨を連絡し、発電事業者である北陸電力ビズ・エナジーソリューションに書類作成を依頼した。

非常にタイトなスケジュールであったが、社内の経営陣がオフサイトPPAに対し「投資」および「コストを掛けても、カーボンニュートラル推進」の観点で判断したことや、北陸電力ビズ・エナジーソリューションが本事業の申請ノウハウを有していたことなどがあり、速やかな申請が可能となった。

本事業がもたらすメリット

株式会社北陸銀行手前が本事業による太陽光発電所「ほくほくソーラーパーク」。奥は隣接するシキボウ富山工場の発電所。既に太陽光パネルが設置されていたエリアだったため、近隣住民の抵抗感は少なかったのも利点だ。

島田 新聞等で発電所『ほくほくソーラーパーク』の開所が報じられ、顧客から環境課題に関連した相談が大きく増加した。北陸地域は眼鏡産業や繊維産業、金属加工業などものづくりが盛んな地域であり、環境規制の厳しい欧州企業のOEMを引き受けている企業も多い。

またサプライチェーン関連業も多く、この1年ほどで大企業がScope3に着手し、サプライチェーンへのCO2削減要求が格段に高まったこともあり、CO2削減に迫られているものの何から着手すべきかわからないといった相談が増えている。
このような相談に対し、当行の視点である『環境対策はコストではなく、先行投資』、すなわち先手を打つ取り組みにすることでビジネスチャンスを逃さず成長できると伝えてきたい

株式会社北陸銀行「エネルギーとファイナンスは目には見えないが、どちらも経営を支える基盤。今後もパートナーシップを発揮して地域に貢献したい」と語る中村様

中村 北陸電力グループへの引き合いも増え、新入社員研修インターンシップ等に『ほくほくソーラーパーク』見学を組み込むなど活用してもらえている。北陸電力グループのエネルギーソリューションと当行のファイナンスソリューションを有効活用して地域活性に貢献でき良い事例として、相乗的な手応えを感じている。

雪国での太陽光発電について、十分な発電量が得られるのか等の懸念は社内から上がっていた。確かに太平洋側に比べれば発電効率は劣るが、通年でみると試算通りの出力を確認している(直近1年での発電電力量:3,395,830kWh、CO2削減量:1,677t)。日本海側でも太陽光発電の運用が可能と実証できた。

本事業における補助金制度のアドバンテージ

株式会社北陸銀行 降雪の影響を考慮して架台は高めに、パネルの勾配もやや急に設置されている。

中村 電気料金のコスト削減目的でのオフサイトPPA導入ではなかったが、本制度の設置場所、契約タイミング、また補助金の助成もあってかなり安価な電気料金で契約を結べた。燃料調整費、資材費、建設費などの上昇前であったことや、自社保有地(老朽化のため使用されていなかった運動グラウンド、野球場、テニスコート)を活用し、土地取得あるいは賃借料金が不要であったことが幸いした。

降雪地域の弱点を補強するため、表面防汚加工された両面発電パネルを選定した。雪はパネル上に積もらず滑り落ち、両面発電は片面のみに比べ発電量がアップすることを期待して設置している。温暖化の影響からか、近年はそれほど降雪量がない。運転開始後、1日の最大積雪量は45cmであった。
積雪対策としてパネル架台の足を高くし、その分工事費がプラスとなったが、補助金対象のため電気料金が高くなった印象はそれほど受けていない。

島田 総合して電気料金も含め、本事業の成果には非常に満足している。一方で申請のプロセスについては改良の余地があると考える。非常にタイトなスケジュールだったため申請が通らない可能性を抱えていた。しかし、補助金の性質上、来年も同様の条件で事業が継続するかは不明だ。公募を待つという選択はなく、確実にCO2削減対策を進めることを優先に進めた。補助金の助成は各方面への働きかけに大きな力となるだけに、数年先の方向がもう少し明確になると検討や準備の見通しも立ち、本事業がさらに広く活用されると考える。

本事業ならびに再生可能エネルギーに対する今後の展開

株式会社北陸銀行ZEB(ゼブ;ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称)へ生まれ変わった野々市支店、各種相談拠点としての機能も有する。

中村 省エネ対策を加速するため、営業用車両として電気自動車の導入や建物全体のエネルギー消費量を大幅に抑えたZEB店舗への建て替えも進めている。現在3店舗(野々市支店、敦賀支店、魚津支店)がZEB対応済みだ。

また、2024年元日に発生した能登半島地震では、銀行も地域を支えるライフラインの一企業だという立場を再認識した。災害時でも持続可能な店舗とするため、エネルギーの自立を進めている。BCP対策としても重要な取り組みであることを打ち出し、太陽光発電設備と連系した蓄電池、非常用発電機等の設備を整備していきたいと考えている。

株式会社北陸銀行2024年11月11日にリニューアルオープンした魚津支店の省エネ認証評価書、最高レベルの省エネ性能を実現した。

島田 ZEBという呼称はまだ顧客の間に浸透していない。興味を持つ顧客からの問い合わせに対応できるよう、顧客に最も近い営業担当の環境リテラシー向上にも力を入れている。当行の取り組みが顧客地域へ還元される循環を生みたい。

北陸銀行は2004年に北海道銀行ほくほくフィナンシャルグループを設立した。二行のパートナーシップは江戸時代、いわゆる北前船の海運事業までさかのぼり、効率化を図るため環境経営やバックオフィス業務はグループで取り組んでいる。現在、グループ2つ目のオフサイトPPA事業北海道・白糠町で進めており、脱炭素社会の実現および地域社会の持続的な発展に貢献していく所存だ。

株式会社北陸銀行の実施体制スキーム図図:株式会社北陸銀行の実施体制スキーム図

本事業に関する問い合わせ先

株式会社北陸銀行
  • 担当部署:経営企画部 サステナビリティ推進グループ
  • 担当:島田善朗
  • 連絡先:076-423-7111
  • email:shimada_yoshirou@hokugin.co.jp
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