オーエスジー株式会社オーエスジー株式会社を代表する製品の一つ、超硬ドリル。高効率で長寿命の超硬ドリルは近年ニーズが上昇している
需要家主導による太陽光発電導入レポート

営農型太陽光発電所の新設で
企業価値を高め、地域社会の
持続的発展にも貢献

令和3年度補正オーエスジー株式会社
オーエスジー株式会社を代表する製品の一つ、超硬ドリル。高効率で長寿命の超硬ドリルは近年ニーズが上昇している

本事業の概要

オーエスジー株式会社今回お話を伺ったオーエスジー株式会社 経理部長 川村淳一様

オーエスジー株式会社は、1938年設立の総合工具メーカー。切削工具、転造工具を主力製品とし、その分野のトップブランドとして現在世界33か国で製造・販売・技術サポート体制を築く。

今回の事業では、4つの工場で、営農型オフサイトPPAサービスを活用した。発電事業者であるアグリガスコム株式会社により愛知県豊川市内10か所に新設された太陽光発電所(パネル出力合計:約4,500kW)で発電を行い、小売電気事業者である中部電力ミライズを通じて2023年2月から電力の供給が開始された。年間発電量は約520万kWhで、年間約2,000トンのCO2排出量削減を計画する。これは同社のCO2総排出量の4%に相当する数字である。

本事業の導入経緯

オーエスジーは「地球会社」という企業理念のもと、持続可能な成長と企業価値向上に向け、2022年に新中期経営計画「Beyond the Limit 2024」を策定し、脱炭素経営にシフトした。2050年度のカーボンニュートラル達成を目指し、2030年度のCO2排出量削減目標を2019年度比30%削減とする。

背景には、東証プライム上場企業として開示要請の高まりに対応する必要性や、機関投資家を含めたステークホルダーからの脱炭素経営への期待感があった。

オーエスジーの目的達成に向けたCO2排出量削減イメージオーエスジー株式会社出典:https://www.osg.co.jp/sustainability/environment/index.html

新中期経営計画の策定を進めながら、すぐに具体的な取り組みを開始。再生可能エネルギーの導入については、電力会社、商社、金融機関などから情報提供を得ながら、コストのバランス、安定供給を必須の条件として検討を開始した。

  • 既存のCO2フリー電気を単純に購入するだけではカーボンフリーに向けて努力をしているとは言えず、発電所を新設する追加性のある導入が企業価値の向上に結びつくと判断。
  • 風力発電は、プロジェクトの多くが2030年以降の稼働であり、今後の予測が難しいことから除外。
  • オンサイトの太陽光発電については工場の屋根への設置を計画しているが、工場の必要量に対してごくわずかな割合の電力しか発電できないことが判明。
  • オフサイトPPAに関しては、自社が主導的に電力づくりに参画することによって自社専用の発電所を確保し、将来に予想される企業間での再生可能エネルギーの奪い合いを回避し得る可能性を評価。

以上の検討結果を踏まえ、オフサイトPPAの導入を決定した。発電業者は地元への貢献を重視し、農業と発電を行う地元企業アグリガスコム株式会社を選択した。また、小売電気事業者は、中部電力との長年の関係と電力の安定供給の面から、中部電力ミライズ株式会社に決定した。三社の協定に基づき、アグリガスコムは発電所の運営と設備下での営農を行い、中部電力ミライズは電力の提供、発電予測、需給管理などを行う。契約期間は20年である。

本事業がもたらすメリット

本事業の最大の特徴として、営農型オフサイトPPAを活用することによって、需要家が環境貢献と同時に地元への貢献を実現していることがあげられる。

オーエスジー専用の太陽光発電所10か所のうち6か所は耕作放棄地を再生したものである。後継者不足に悩む農地所有者に長期安定的な収入をもたらし、農業支援につなげるとともに、農地の草刈りなどの作業を社会福祉法人に依頼し、障がい者雇用を促進している。

営農型オフサイトPPAは中部エリアでは本事業が初めてであることから、複数のメディアに取材され、脱炭素経営の姿勢をアピールすることにつながり、外部のESG評価も向上している。また、今後再生可能エネルギーの導入を行う企業の増加が見込まれる中、他に先んじて需要家主導の導入を行った経験は、先行者メリットとなる。

さらに、営農型発電所で収穫された野菜を社員食堂で提供し、環境や再生可能エネルギーの導入に対する社員の関心を喚起することに役立てている。

オーエスジー株式会社アグリガスコム株式会社が運営する、オーエスジー専用の営農型発電所。採光と通風のため太陽光発電の
パネルを市松模様のように並べた畑で、トウモロコシを育てている
オーエスジー株式会社オーエスジー「NEO新城工場」の社員食堂。営農型発電所で栽培された野菜を使用したメニューが、
一般社員のカーボンニュートラルへの興味を引き出している

本事業における補助金制度のアドバンテージ

再生可能エネルギーの導入ではコストと得られるメリットのバランスをとることが難しい中、補助金によって導入コストを抑えることが可能となった。

20年という長期に渡る契約については、住宅ローンの固定金利と同様のメリットとリスクがあると考えている。ウクライナ情勢の影響が大きかった2022年の契約であったが、他の電力も使用する中で再生可能エネルギー導入を始めようと総合的に勘案し、まずは取り組もうという決意のもと契約を結んだ。

本事業ならびに再生可能エネルギーに対する今後の展開

本事業開始後、さらに発電所を増やす契約を締結し、営農型オフサイトのCO2排出削減量は年間約2,000トンから約4,500トンに増加する見込みである。また、工場でのオンサイトPPAも導入して、さらに約300トンの削減を予定。これで2019年度対比11~12%の削減の目途はついてきたが、更なるCO2削減策を講じる必要があり次の打ち手を考えている。

現在サプライチェーン全体のGHG排出量であるScope3の算定を進めている。今後は取引先のデータ取り込みも図りながら、取引先とともに一歩先を行く脱炭素経営への取り組みを推し進めようとしている。

また、脱炭素化やSDGsへは企業の取り組みというだけでなく全社員と共に取り組むのが本来の姿と考えている。今回のアグリガスコム株式会社との出会いを活かし、営農型発電所で栽培された作物の収穫イベントなど、社員からの提案も募りながら士気向上を図っていきたい。

オーエスジー株式会社海外の製造拠点や関連企業と頻繁に連絡を取り合うことから、オフィスに現地時間を表示。環境関連の制度は国ごとに異なるが、各国で高いレベルの環境配慮を目指す
オーエスジーの実施体制スキーム図図:オーエスジーの実施体制スキーム図

本事業に関する問い合わせ先

オーエスジー株式会社 人事総務部
  • 担当:岡村秀一郎 様
  • 連絡先:0533-82-1140
  • email:sokamura@osg.co.jp
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