本事業の需要地の1つである、パナソニック エナジー株式会社 守口工場本事業の需要地の1つである、パナソニック エナジー株式会社 守口工場
需要家主導による太陽光発電導入レポート

2030年までにCO2排出をゼロに!
オフサイトPPAで攻めのアクションへ

令和3年度補正パナソニック オペレーショナル
エクセレンス株式会社
本事業の需要地の1つである、株式会社パナソニック エナジー 守口工場

本事業の概要

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社今回お話を伺った、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 グローバル調達本部 間接材調達センター 所長 古賀哲郎様 (左)/エネルギー調達部 総括担当 中尾太一様 (右)

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 グローバル調達本部では、パナソニックグループというスケールメリットを活かし、汎用性の高い部材やエネルギー調達を一手に引き受けており、電力供給の最適化の観点から小売電気事業者として約18年に渡り、パナソニックグループ内の工場に対する電力を供給している。今回、グループの目標である「Panasonic GREEN IMPACT」(2050年に3億トン以上のCO2排出量削減を目指す)に向けて、本事業を活用して合計18MWもの太陽光発電を導入し、2022年10月より供給をスタートした。

本事業の導入経緯

パナソニックグループは1993年に環境宣言を制定するなど、地球環境問題に非常に早期から取り組んでいる。2030年までに自社からのCO2排出を実質ゼロにする目標を打ち出し、車載事業を担当するパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社ではグローバル全14拠点において、省エネルギー化、再生可能エネルギー、環境証書を活用し排出ゼロを達成した(2023年1月)。さらなる削減が求められる中、事業所(工場)からの要望を受け、追加性のあるオフサイトPPA太陽光発電という攻めのアクションへ取り組んだ。

事業成長による排出量増加を上回る
省エネと再エネの導入・調達でCO2ゼロ工場を拡大
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社※BAU(Business As Usual)=通常のオペレーション業務を継続した場合

発電事業者は関電エコスタイル太陽光発電合同会社(関西電力およびエコスタイルによる共同出資)、小売電気事業者はパナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社である。選定に先立ち、小売電気事業者としての経験、ノウハウを活かし、パナソニックグループ内でオフサイトPPAに対する要件検討を慎重に重ね、それを基に複数の発電事業者から提案を受け需要家主導の形で協議を進めた。コストや納期だけでなく発電の安定性、発電サイトが工場と同じエリア(同一電力会社管内)にあること、そして20年に渡って取引可能な信用度などの観点から事業者を決定した。インバランス(電力需要に対する供給不足)への対応も大きな決め手となった。本事業での電力は、大阪、兵庫、和歌山および徳島にある11工場へ送電されている。

本事業がもたらすメリット

本事業における最大の特徴は、49.5kWの小規模太陽光発電所を様々な地域に設置した点である。18MWもの発電量を1か所でまかなう、いわゆるメガソーラー建設には広大な土地が必要であるのに対し、小規模太陽光発電では全国の耕作放棄地の転用などで対応可能だ。また、発電サイトが散在している点は、自然災害による発電停止や設備損壊を回避する事業継続計画(BCP)の面からも望ましい。

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社小規模太陽光発電サイト(東広島市)

昨今の社会情勢を鑑みると、エネルギーの外部依存度を低下させ自社で再生可能エネルギーを調達することは喫緊の課題である。多くの企業が同様の検討を行い再生可能エネルギー需要が高まっている状況下において、20年固定価格契約によって確実に再生可能エネルギーを受電できる権利を得たことは大きなアドバンテージだと考えている。

また、発電所を新設するという追加性があることも見逃せない。

本事業による電力供給量ならびに削減できたCO2量はレポートにまとめ、各工場担当者に公開されている。現場からの声を発端に導入した経緯もあり、CO2削減量の見える化がゼロエミッション活動へのやりがいや手応え、さらなる意欲向上へとつながるなど組織風土への良い影響も起きている。

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社「需要が高まる中で再生可能エネルギーを確実に調達できる環境を整備できたメリットは非常に大きい」と語る古賀所長

本事業における補助金制度のアドバンテージ

オフサイトPPAは初期費用およびメンテナンス費用が不要で、供給された電気料金のみを支払うシンプルさが魅力であった。太陽光発電の候補地調査や発電機器のメンテナンスにリソースを削がれることなくコア業務に集中でき、競争力をより一層高められる。資産計上が不要な点にもメリットを感じている。

オフサイトPPAの導入における最大の目的はCO2削減ではあるが、近年の燃料価格高騰等による電気料金上昇の影響を固定価格契約により回避でき、結果的に料金のコスト削減を図れている。ただし電気料金についてはこれから20年間に渡って長い目でモニタリングしていく必要があると認識している。

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社「工場から感謝の声を頂けたのが非常に嬉しい。若手社員の励みにもなる」と話す中尾総括担当

本事業ならびに再生可能エネルギーに対する今後の展開

2030年の自社排出のゼロ化達成に向け、全社が総力を挙げてCO2削減に取り組んでいる。これは従来の環境経営によってCO2削減への意識がグループ全体に行き届いていることに加え、自動車産業や欧米における主要取引先からの削減要求の強まりも背景にある。現代においてカーボンニュートラルの達成は自社のESG戦略に留まらず、もはや取引を継続する上で避けられない必須条件となっている。

さらにパナソニックグループでは、2050年には世界のCO2総排出量の約1%(約3億トン)を削減し、CO2削減を通して社会へ貢献するビジョンを掲げている。一方で太陽光等で調達した電力は工場全体の約10%程度である。他の再生可能エネルギーを含め、今後は太陽光発電の追加調達も検討していく。日照に左右されない風力や水力などあらゆる再生可能エネルギーについても導入を検討している。

純水素型燃料電池と太陽電池を組み合わせたシステムの実証実験をスマートエネルギーシステム事業部草津工場において実施するなど、CO2削減ならびに地球温暖化への取り組みをグループとしての最重要課題とし、全社を挙げて目標達成のアクションをさらに加速していく方針だ。

2030年には自社排出のゼロ化を達成に加え
約1億トンの削減貢献の実現を目指す
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
パナソニックグループの実施体制スキーム図図:パナソニックグループの実施体制スキーム図

本事業に関する問い合わせ先

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
  • 担当部署:グローバル調達本部 間接材調達センター エネルギー調達部
  • 連絡先:080-3355-8706
  • email:denki@gg.jp.panasonic.com
需要家主導による太陽光発電導入レポートTOPへ戻る